今回は社会人として真面目な話です。
未来ある子供たちと、苦労して英語を教えている先生方のために。
英検が変わる?
日本の英語教育は過渡期が続いています。
英検も2024年度から変わり、3級以上は新形式のライティング問題が増えるようです。
25年度にできる新しい級も気になりますね。
大阪の英検優遇問題
大阪の方が英検で苦労されているブログをよく見かけます。公立高校入試優遇のための2級取得ですが、本当に大変そうで胸が痛みます。
文理学科を設置するトップ10高校では、受験生の2人に1人が英検2級以上を取得しているとのこと。スゴイ割合です。
優遇者がこんなに増えては、英検2級以上を取得せざるをえない状況かもしれませんね。
https://https://weekly-osakanichi2.net/?p=681
英検2級の代償
私は英語教育に携わっていました。昔の感覚では、普通の中学生が2級を取得するなんて無謀です(帰国生や経験者を除く)。
しかも5教科の受験勉強があり、内申対策も必要な中学生が...。
高校文法は高1でひと通り学びますが、1回では全く定着しません。2〜3年で反復しながら語法や語彙を増やし、長文やライティングにつなげます。
2級は労力をかけてテクニックを習得すれば、ギリギリ合格できるかもしれません。でも無理やり詰め込んだ知識は、すぐに忘れてしまうでしょう。
中学生に詰め込みを強いるのは代償も大きい。「英語嫌い」です。嫌いならまだましかも。「英語アレルギー」が出たら....涙しかありません。
こんな未来なら
2級に合格した人たちが、それを励みに高校で準1級も取得。大学に進み、持ち前の力を発揮し研究論文を英語で次々に発表...。
そんな未来につながるのなら、大阪の方針も大成功です。成果を知るにはもう少し待つことも必要かもしれませんね。
いつかそんな未来がやってくることを願っています。
文科省の愚策
以前、大学の共通テストで英検等の民間試験を活用するという愚策を文科省が出しました。
数年後、見送りを決定。本当に英断でした。「無謀な政策を断念する」という判断を日本政府ができるんだ...と日本を少し見直したのを覚えています。
中止? それとも拡大?
あの時の文科省のように、大阪府も英検優遇中止を検討しないのでしょうか?
それどころか「大阪がやってるから」と他県にまで広がっていくのでしょうか?
小学3年で英語が始まった世代が中学生になれば、英検の取得はさらに早まるでしょう。それ自体は喜ばしいこと。
しかし、教育委員会の皆さん、導き方を間違えないでください。英語アレルギーが県単位で増えてしまったら、もう取り返しがつきません。